サイトアイコン 【超低コストLED植物工場技術指導会】世界一安くLED植物工場を作るために

植物工場で驚異の総資本回転率1.0越えを目指す

[PR]

今回は植物工場の投資効率の良しあしを総資本回転率から検討してみます。

総資本回転率から売上目標を設定する

農業生産設備の投資効率を考える場合、総資本回転率という指標が役に立ちます。
総資本回転率は1年間の総売上を設備投資の総額で割って出します。

厳密には「総資産」で割りますが、これから開始する場合を想定しているので簡略化のために「設備投資」で割ります。

たとえば設備が1億円で売上が1億円なら1億円÷1億円=1なので、総資本回転率は1回転。
設備が1億円で売上が5000万円なら5000万円÷1億円=0.5なので総資本回転率は0.5回転です。

たとえば通常の3億円の植物工場だと年商は計画通りに大成功した場合で1.2億円程度。
総資本回転率は0.4です。
4000万円のハウス水耕だと年商は1000万円程度が妥当で、ものすごくうまくいって2000万円。
総資本回転率は0.25から0.5です。

農業生産設備で総資本回転率が1を超えることはまずありません。
もしも1を越えれば投資効率は極めて高いと言えます。

しかし、植物工場を自作すれば1を上回る総資本回転率を目指すことができます。

ですが、最初は低めの目標設定を推奨します。

たとえば予算500万円で年商250万円とすると、総資本回転率は0.5なので、これでもかなり高めの目標になります。

妥当に考えれば予算500万円で年商200万円以下に設定するのが無難です。

初期の目標は低ければ低いほど好ましいです。

そして、上方修正を繰り返しながら最終目標に近づいていくのが精神的にも健全で、やる気が続くと思います。

かつて植物工場で世界最大手だった会社も、ノウハウが膨大にあったリーフレタスでさえ目標収量を下回ってしまい、

生産開始からまもなく何億円もの設備を残して破綻してしまいました。

最終目標はハードルを高く設定してもいいと思いますが、最初のハードルは低めに設定した方が失敗しにくく成功の可能性が上がると思います。

当初目標は相場かそれより少し低い程度に設定し、最終目標を総資本回転率1相当に設定する。

500万円の設備で、最終目標は年商500万円。達成したらすごいことになります。

もしそれを拡大したらどうなるか。

一般的な植物工場が3億円の設備に対し1億円程度の年商である一方、

同じ初期投資で3億円の年商を出せることになります。

もちろん拡大に伴うオペレーション高度化などの問題はありますが、

効率化の余地が増える面のほうが大きいです。

投資効率の上限を追求する

リーフレタスの大規模植物工場ではどんなに大成功しても総資本回転率が1を超えることはないでしょう。

逆に、どんな組み合わせなら総資本回転率が挙げられるか。

初期費用を大きく抑えられる自作植物工場と、高収益を狙えるハーブ生産を組み合わせるとどうなるでしょう。

目標年商から日産を逆算する

仮に、初期投資600万円の設備で総資本回転率0.5を目指すとします。

必要な年商は300万円で、月商は25万円。

日販で8400円。小規模ならハーブがやりやすいでしょう。作物はバジルと仮定します。

1袋20グラムを@50円で出荷する場合、必要な日産は168袋です。

1日あたりの必要収量(但し調整後の出荷量換算)は3.4キロ。

30日間の収量は102キロになります。この収量を得るためにどれくらいの設備が必要でしょうか。

ハーブ類はデータが少ないため、既存のデータをどうにか掘り出してそれらから推測することになります。

こちらの資料は宮城県が開発した養液栽培における様々な葉菜の収量です。

ハーブ類特有の連続収獲(摘み取り収獲)という方法で、30日間で1平米当たりの収量は5.5kg(これを5.5kg/平米/30日と書きます)。

但しこの方法では商品にならない枝も収量に含まれているようなので、実質的な可販部分は半分の2.7kg/平米/30日とします。

植物工場では条件がいいのでもっと収穫できると思いますが、好条件にするのは危険なので2.7kg/平米/30日のままとします。

計画はとにかく安全に、少なめに見積もることが大事です。上限値は計画に使ってはいけません。

先ほど計算した月産102kgのバジルを取るのに必要な実栽培面積は38平米です。

摘み取り収獲を考慮すると、ラックの上下間隔は広めにとったほうがいいので、4段とします。

ラックが4段の場合、1段あたりの実栽培面積として9.5平米を確保すればよいことになります。

栽培面に手を突っ込んで作業することを考慮して、ラックの幅は通常の植物工場の半分とします。

ラックは幅75cm×奥行き60cm×高さ180cmのものを使い、これを8台連結して長さ4.8メートルの1列とする。

連結ラック1段あたりの実栽培面積(植物を植える部分)は幅60cm×4.5mで、2.7平米。

これが4段なので10.8平米。なんと、4段の薄型ラック8台連結が1台だけで目標収量を超えてしまいました。

何列必要か計算するつもりだったのに…。

これは5.6m×2mくらいの部屋に設置できるサイズです。

1台あたりの費用を高めに見積もって10万円としても本圃の費用は80万円。育苗は本圃の1/5として20万円。

エアコンが10万円、壁に断熱パネルを張って簡易断熱して20万円。水を引いて10万円。

初期投資は140万円です。これで月商25万円、年商300万円だとなんと総資本回転率は1どころか2を超えています…。

ちなみにバジルは葉菜の中では異質な存在で、高温ほど収量が増えるという異常な特性を持っています。

植物工場ではLEDから出る大量の熱を冷やすために冷房代がかさみますが、バジルに限っては温度設定を高めにできます。

30℃で栽培すれば収量はまだ伸びるでしょうし、研究し尽くされているリーフレタスとは異なり、

ハーブ類は栽培条件最適化による収量増の余地が多々あります。

収量が1.5倍になれば総資本回転率は3を超えます。

なんと、500万円の初期投資で1500万円の年商が出ることになります。

しかし、だからといって総資本回転率3で設計してスタートするのは良くありません。

最初に最高の状態を想定するのは危険です。最高の状態はあくまで夢と希望。

それだけ伸びる可能性を頭に入れつつも、総資本回転率を0.5以下で想定してスタートするほうが良いでしょう。

そして栽培方法の改善を積み重ねながら、上方修正を繰り返し、プラスのサイクルを回していく。

 

投資効率が上がれば植物工場に新しいビジネスモデルが産まれる

投資効率が2を上回るようなレベルになれば、フランチャイズ展開の可能性もあると思います。

日本中で増加して問題になっている空き部屋の有効利用にくわえて、

駐車場に大型の断熱物置や冷蔵コンテナを置いて栽培することも有望です。

資金力に物を言わせて大型1点勝負のギャンブルで農家とやり合うのではなく、

小さくても利益が出るものをたくさん分散し、地方に雇用や独立の機会をもたらす。

もしそうなれたら地方創成にも寄与できますし、農家の方にも参入の余地があると思います。

植物工場はリーフレタスしか作れず、経営破綻やそれに伴う環境破壊を繰り返してきた問題児ですが、

小規模収益型で分散できれば植物工場でも社会課題が解決でき、社会貢献に寄与できるかもしれません。

モバイルバージョンを終了