今回は本サイトが提案する超低コストLED植物工場の実例写真を紹介します。
写真集ですから、気楽に放談的に書きますので、どうぞ肩の力を抜いてお気軽にご覧ください。

普通のグリーンリーフレタス栽培です。しかし!植物工場を自作する野心と気概のある方々へ。実はこの写真は超低コスト化の技術ノウハウが詰まったとても重要な写真です。写真をよく見て下さい。LED蛍光灯は結束バンドで鉄パイプに固定してあります。とても安上りです。鉄パイプはチェーンで吊るすことで様々な光源距離を工事なしで容易に変更できます。
大規模工場になったときに、この小さな工夫だけでいったい何百万円浮くか想像してみてください。1本1円の結束バンドと、1個100円の「ちゃんとした」蛍光灯固定金具の絶望的な価格差は決して埋められません。
「考えてみれば、とにかく光源を固定さえできればこと足りる」こういう頭の良さが過剰品質に陥っている日本の製造業から失われてきている気がします。たとえば200万円の初期投資を回収するためには、利益率1%のリーフレタスを2億円分も売らないといけません。本気で植物工場を経営していくことを考えると、この小さな工夫だけで2億円は得したようなものです。その分はマーケティング費用に配分すべきです。どこにお金をかけるかよく考えないといけません。
液肥プールも塩ビパイプで作った枠にビニルハウス用の厚手のPOフィルムを張ったものです。プールのためにいちいち専用の金型なんか起こしていたらそれだけで1,000万円かかるでしょうし、発泡スチロールで使っていたらやはり1,000万以上高くつくでしょう。この方式なら設置も交換もとても容易です。液肥プールは「考えてみれば、水を貯めることさえできればいい」のです。太陽光にさらされても10年使える厚手のPOフィルムはそう簡単には破れません。その上に薄いマルチフィルムを敷いて使います。マルチフィルムはとても廉価です。もし破れてもPOフィルムがあるので水漏れしません。病気が発生したら上側のマルチフィルムだけ取り換えればよいのです。
また、プールの枠にはたまたまVU50の塩ビパイプを使っていますが、別に木枠でもOKです。ツーバイフォー材なんかは丈夫でよいと思います。「木だと水で腐るのでは…」と心配?そう簡単には腐りません。通常のツーバイフォー材は屋外で直射日光と風雨にさらしても腐るのに2年はかかります。そもそも腐ったら取り換えればいいし、心配なら念のため防水処理済みの材を使えばよい。考えてもみてください。数百万円規模の自作工場で、プールの枠に腐るかもしれない木材を使って試行錯誤を失敗するリスクより、絶対腐らない安全確実な高額資材で3億円の工場に見切り発車で突っ込んで2~3年で経営破たんしてしまうリスクのほうがはるかに致命的であり、やり直しが利きません。
断熱に関してはスタイロフォームの板を敷いています。考えてみれば、わざわざ成型した発泡スチロールでプールを作る必要はありません。
工夫して新しい試みに挑むときは、考えてみれば、の心を忘れないでください。
このような工夫の積み重ねで、もう信じられないほど劇的に設備費が安くなっていくことがお判りでしょう。
しかもそれらの資材をネットで最安価格で調達して自社で組み立てるんですから、いったいどれだけ安くなるんだ?ということです。
これまで3億円のコストが必要だった工場と同等の生産能力を持つ工場を8,000万~9,000万円台で導入できるでしょう。
自分で安く作るのが当たり前になれば植物工場に革命が起きます。
むしろそれくらいやらないと植物工場ビジネスに未来はないでしょう。
ちなみに使っているLEDは以前の記事で紹介した1本990円で買える物の旧式です。ご覧の通りこれでちゃんと育ちます。波長がどうとか、うるさいことを言わなくても。植物は本来とても強いですよ。むしろ、そうでなければ人類はとっくに滅んでいます。
なんだか騒がしくなってしまいましたが、そろそろ次の写真に行きましょう。

ミズナ。やや密植気味に。草本植物は指数関数的に生育するためここからは急激に大きくなります。

ちょっと気を抜くとすぐこんなサイズに…。

上記のミズナの17日前。まだかわいかったころの姿。植物の生命力はすごいです。
生産者は生命に本来に備わっている植物の強さを引き出すことが重要であり、過剰投資は避けるべきだと筆者は考えています。単に育つかどうかでいえば、適当にその辺の土の上に適当に種をまいて放っておいても育ちます。もちろん商品になるかどうかはまた別の話ですが。

ベビーリーフ的に密植しているリーフレタス。
ベビーリーフは短期間で収穫できて失敗が少ないわりに単価も高いので販路さえあればおすすめです。

バジル。これも単価が高く、販路さえあれば高収益が期待できます。バジルは高温ほど収量が上がるという葉物作物の中では異常と言えるくらい特殊な性質を持った品目です。植物工場では光源から発生する熱で温度が上がります。
白熱電球では10割の電気を与えても1割しか光にならず9割が熱になっていた。LEDでは10割の電気を与えれば4割は光になるようになった。確かに数倍効率は良くなったが、それでも6割は熱になっている。LEDがいかに省エネで効率がいいと言っても、半分以上は熱になっているのです。電気を光に変換するのはそれくらい大変なことなんです。
光源のせいで上がった室温を下げるために電気代のうちの2割を使うことになります。適温が低い作物程、エアコンの温度設定も低くなり、その結果電気代が高くなります。このため、高温で良く育つという特性は有利です。バジルは本当に困るくらいたくさん収穫できます。摘心方法や播種数、定植間隔にもよりますが、1か月の収量はパネル1枚(60cm×90cm)あたり3kg(卸値で6000円~7500円程度)にもなります。すさまじい収量です。
ただし、バジルは売るのが難しい作物です。逆に言えば、売る力がある方であればバジルをはじめとするハーブ類は極めて高収益です。植物工場レタスの売上利益率はよくて数%ですが、バジルをちゃんと売れるなら売上利益率は軽く20%を超えるでしょう。
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奥の作物はケールです。ケールのベビーリーフは甘くておいしいですし、スムージーの原料としても成株のケールを使うより魅力的な味になります。すでに健康によいイメージを持っている品目なので、売る力さえあれば有望な品目ではないでしょうか。同じ面積と電気代でも、リーフレタスの数倍の売上になることでしょう。
極論ですが、リーフレタスしか作れない&売れないのであれば植物工場なんて初めからやらないほうがいいと思います。もっと収益が見込める作物で計画を練らないと、やる前から失敗が決まってしまいます。
ある業者の方は植物工場でのアイスプラント生産販売に挑戦されていました。これを売るのはハーブ以上にとても難しいでしょうが、露地では作りにくく供給も不安定なので、もしもうまくいけば市場を独占できるでしょう。こういう努力や計画、野心が植物工場に勝機を見出すためには不可欠だと思います。
筆者も植物工場に高収益をもたらし得る有望な作物を見つけたので、試験栽培を行っています。ただし、リーフレタスなんか比べ物にならないくらい難しい作物なので万人におすすめはできませんが。いずれにしてもまとまり次第本サイトで報告します。日本の食文化を変え得る魅力的な食材です。
