~金線蓮の味~ 金線蓮;キバナシュスランの苗を試食してみた
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■金線蓮フラスコ苗

今春、たびたびお問い合わせをいただいている金線蓮を輸入しました。

様々な苦労の末にどうにか輸入したフラスコ苗が届きました。

しかし発送元の梱包が甘く、2段重ねという乱暴な梱包であったため下段の一部(というのは控えめな表現で、けっこうな数)の

フラスコが割れていて処理が大変でした。

しばらくフラスコ出しをするつもりがなかったんですが、強制的にフラスコ出しをさせられました。

銀ラメの葉脈はもはやこの世のものとは思えない魔性の美しさをたたえています。ジュエルオーキッドの名に恥じません。

現地ではここから大きく育てて主に茶に加工して売られています。

しかし大きく育つと苦くなってしまうらしく、それを避けるために最近ではフラスコから出してすぐ食べる方法もあるようです。

要は金線蓮のベビーリーフですね。

■試食レポート

私は蘭の愛好家で、Anoectochilus属(金線蓮の分類学上の属)はこれまでずっと観葉植物とみなしていたため食べたことはありませんでした。

ジュエルオーキッドを食べるなんてもったいない。金箔を食べるような気分です。

しかし金線蓮を過去の記事で紹介している都合もあり、食べたことがないというのは問題です。

そこで今回初めて食べてみたところ苦みが弱く、ゴーヤのほうがよほど苦い。

苦みはピーマン以下かもしれません。確かに、これなら食べられる。

ごま油で炒って食べると不味いどころかむしろ美味しかったです。これなら積極的に食べてもいいくらいの味です。

薬草は大抵まずいので日常的に食べ続けるのはかなりハードルが高いですが、フラスコから出してすぐの金線蓮には薬っぽさがないので野菜としてもアリな味です。

最近、現地ではフラスコ出ししてそのままマヨネーズで生食するという話もありますが、確かにそれでも大丈夫そう。

絶対不味いと思っていたので肩透かしを食らった気分です。

 

■野菜としての可能性

こんな味ならもはや薬草ではなく、超レアな新野菜・健康野菜として提供してみたほうがよいのでは?

観賞用や薬草の利用はごく限られています。しかし食品なら天井はありません。

但し、現状では一口数百円…。キャビアもブランド牛も敵わない超超超高級食材です。

日本に飲食店は約700,000店存在するそうですが、2019年6月現在、日本で金線蓮を食べられるお店はおそらく1店たりとも存在しないでしょう。

70万分のゼロです。

入手困難どころではありませんし、もし扱うにしてもどんな寿司種よりも高原価になると思います。

いくら健康のためとはいえ、注文する人がいるかどうかがカギですね。さすが、薬王は高根の花です。

もし金線蓮が料理で出てきたとしても、とても美しい植物なので食べるのがもったいないですが。

キバナシュスランを観賞用にすれば安くても1株1000円以上はしますから。

もちろん、日本でも食用として量産されればもっと手ごろな価格になるでしょうけど。

 

■植物工場で金線蓮を生産する

金線蓮を輸入すると後述する法令クリアのために様々なコストが上乗せされてだいぶ高くつきます。

海上輸送では死着するので航空便が必須です。

重くてかさばるので海外送料が高くつき、たとえ航空便でも輸入の際に容器破損や高温・低温枯死のリスクがあります。

しかもフラスコは結構な割合で割れて到着します。

これらのハードルを下げる方法の選択肢として、国産化が考えられます。

 

2019年6月現在、少なくとも私の調査では日本産の金線蓮の商業生産はまだ行われていないので、

いっそ植物工場で金線蓮を作ってみてはどうでしょうか。

 

■金線蓮植物工場の経済性試算

フラスコ苗の栽培に必要な光量はとても少なく(3000lux程度)、

フラスコ出しで即利用するのであれば屋外栽培の工程が不要で、面積効率が非常に良いです。

 

水耕パネル1枚分の面積にフラスコを54本も並べられます。

水耕パネル1枚で1本の卸値が100円のリーフレタスは18~24株しか作れませんから、1枚当たりの1作の生産額は1800円~2400円です。

頑張って年15回転してもパネル1枚で生産できる生産額は年間27000円~36000円です。

これを天地4段のラックで生産すれば108,000円~144,000円。

これが水耕パネル1枚あたりの床面積の年間生産額です。

一方、54本の金線蓮フラスコ苗を仮に卸値3000円で出荷すれば162,000円です。

年2回転でも324,000円になります。しかもフラスコ苗の生産には高さが要らないので棚間隔が狭くてよく、

レタスの2倍の段数設置も可能でしょう。レタスが4段なら金線蓮は8段行けます。上下8段で2,592,000円です。

リーフレタス(@100円)を年間162,000円生産する面積で、金線蓮のフラスコ苗(仮に@3000円で出荷できるものとする)を2,592,000円も生産できる計算です。

 

しかも、光が弱くていいので電気代はリーフレタスの4分の1以下で済むでしょう。

面積当たりの生産額はリーフレタスの16倍で、面積当たりの電気代はリーフレタスの1/4。

つまり、電気代あたりの生産額はリーフレタスの64倍です。

30円の電気代でリーフレタスを作れば100円分の作物を生産できる。

一方、30円の電気代で金線蓮を作れば6400円分の作物を生産できる計算です。

 

これほどまでに電気代の割合が小さく土地利用効率が高いので、

ハウスよりも植物工場のほうが経済的に有利になる可能性があります。

金線蓮生産では日本の植物工場のネックである電気代と土地代を解消できる可能性があり、

植物工場で金線蓮を安く量産できる可能性があります。

金線蓮は露地では作れないので、金額ベース・面積ベース共に生産方法の大半を占める露地とも競合しません。

現地では金線蓮はハウス栽培されていますが、高温や強光のため太陽光では作りにくく(大幅な遮光が必要)、栽培の難易度を上げる要因になっています。

その点でも金線蓮は植物工場での生産に適した植物といえそうです。

 

■金線蓮を令和の新野菜に

ただし、日本では金線蓮はまだほとんど誰にも知られていないので、金線蓮の普及や周知にあたっては辣腕なマーケター・プロモーターの力が必要でしょう。

しかし、販売力さえあれば金線蓮は植物工場にとって有望な新野菜になり得るかもしれません。

金運上昇の縁起品として贈答用にもいいかもしれません。この味なら青汁やフレッシュジュース、スムージーにちょっとだけ混ぜるのもいいでしょう。

(さすがに一部混ぜるのが限界です。金線蓮100%の青汁はドンペリよりも高級になりそうです。)

 

機能性成分kinsenoside(ginsenoside)を有し、希少で美しく、味も良く、すでに中国と台湾で利用されているにもかかわらず、日本にはまだ競争相手が存在しません。

もし金線蓮の販売に自信がある方はぜひご連絡ください。生産希望者をご紹介させて頂きます。

※金線蓮はかなり特殊な栽培技術を要する作物なので、生産と販売は完全分業するのがオススメです。

1社で両方やるのはリーフレタスでも苦労します。まして金線蓮はランですからその比ではないでしょう。

ランは普通の植物とは一味も二味も違う、非常にクセの強い植物です。

 

■法律のクリア

金線蓮の輸入は植物防疫法、ワシントン条約、種の保存法という3種類の法規制を受けるため、

知識不足の業者が販売している違法品をつかんでしまうリスクがあります。

これらの法律では規制対象生物の生死は問われないので、金線蓮茶のような加工品でも上記関連法のクリアが必要になります。

 

金線蓮の調達にあたっては次の3つの法律がハードルになります。

法律以外にもいろいろなハードルがありますが、少なくとも法律だけでこれだけあります。

特に②をクリアできていない違法品の売買では、購入者も巻き添えを食らうことがあります。

従って、金線蓮または金線蓮加工品の購入の際は巻き添えにならないためにも必ず適法性をご確認されることをお勧めします。

 

①種の保存法

・最低限、特定国内種事業の事業者届出番号が記載されているか確認(届出なしに販売している恐れあり。そもそも届出番号記載なしの販売・陳列は30条&33条違反)

・金線蓮にはキバナシュスラン以外にも複数の種類がある

販売者が届出をして台帳管理を行い、届出番号を記載することで適法に販売・陳列ができるのは金線蓮のうち「特定国内希少野生動植物種」である「キバナシュスラン」のみ

・複数ある金線蓮の中には届出を問わず根本的に販売自体が不可能である種や、種の保存法に規定されない種もある

但し、金線蓮の中で研究報告が多いのはキバナシュスランともう1種に限る

・つまり、いくつか存在する金線蓮の中から種を特定できる目利きが必要

・種の保存法の制約は生体(フラスコ苗、鉢植え、抜き株)だけでなく死体(茶などの加工品)にも及ぶ

②ワシントン条約

・輸入の金線蓮茶の場合はCITESという証明書を取得しているかどうかを確認

・ラン科植物のCITES無しの輸入は密輸となり、罰則も重い

・ワシントン条約違反では販売者と共に購入者まで処罰された事例もある

・フラスコ苗は条件を満たすことによってはCITESが不要となる場合あり

(私の調達しているフラスコ苗はこちら)

いずれにしても植物検疫が必須

・金線蓮茶を輸入する場合:

植物検疫と食品衛生検査とCITESの全てに対応できる海外の食品輸出業者がほとんど存在しない

運よくCITES対応の輸出業者を見つけても手数料が非常に高額なことが多い

金線蓮は複数存在するので、原材料がキバナシュスランかどうかすらわからないこともあり得る

・ワシントン条約の制約は生体(フラスコ苗の一部、鉢植え、抜き株)だけでなく死体(茶などの加工品)にも及ぶ

③植物防疫法

・輸入時の植物検疫は必須。どんなに少量であっても、種1粒でも、葉1枚でも、枯死体であろうと植物検疫証明書が必要

さらに、日本側の通関時に確認済みの検疫証明印も必要

 

入手するだけでこれだけの知識が必要な地雷原なので、詳しい助言者が必須

これほどの知識と労力を要する反面、まだ誰にも知られていないので買い手に乏しい

 

特に金線蓮の成株や金線蓮茶の輸入販売はCITESが必須となるので極めてハードルが高くなりコストも上昇します。

金線蓮茶を販売するなら、国内でキバナシュスランを量産して国産の金線蓮茶を作るほうが有利な可能性があります。

しかし私は金線蓮に茶としての利用よりも生食のほうにより大きな可能性を感じます。前述の通り、味が良好なので。

フラスコ苗の一部は一定の条件を満たせばCITESが要らないのでまだましです。それでもまだまだ割高ですが。

金線蓮(というかキバナシュスラン)を国産化して国内消費する場合、

高コストで色々配慮が必要な②と③の工程が関係なくなり、利用者も安心で輸送費も激減します。

ハードルは①だけになります。

 

■その他

・飲食店や小売店で販売する場合も届出や届出番号表示が必要と思われる

・最低でも届出を出すくらい気のある人でないと扱わないので、希少価値を維持しやすい(高単価で売りやすい)

・店頭での販売にハードルがあるためどこでも買える状態になりにくく、直販と非常に相性がいい

・フラスコ苗は生産地での保管期間=販売可能期間が半年近くある(このため在庫管理・販売調整がしやすい)

・予約販売や注文販売に最適(高単価で売りやすく、値崩れしにくい)

 

■金線蓮(キバナシュスラン)のフラスコ苗を限定販売中

本日より、金線蓮のフラスコ苗を私が運営している日本薬草種苗yahooショッピング店にて3本限定で販売しています。

当然ですが、こちらで販売陳列している金線蓮のフラスコ苗は前述の関連法①~③をすべてクリアしています。

但しフラスコ苗を高温時に出荷すると枯死するリスクがあり、真夏には発送できないので最大でも1か月限定の販売です。

増殖用の親株用など、試験栽培用にいかがでしょうか。

 

(6/15追記:残り2本です)

(6/16追記:残り1本です)