今回の記事は植物工場で使う液肥に関する内容です。
【単肥と配合肥料】
液肥に使用する肥料原料にはおおまかに2通りの選択肢があります。ひとつは「単肥」といって、肥料の三大要素であるN・P・K成分とミネラルの各成分を複数の製品を組み合わせてバラバラに調合する方法です。もう一つは、すでにある程度の成分が配合済みの粉末肥料を2種類混ぜる方法です。
単肥から作る方法がもっとも安くできますが、揃えるべき品数や量が多くなってしまい、かなりの手間を要して煩雑になってしまいます。水耕栽培の専門家が内部メンバーにいない限りは2種類の配合済み肥料からスタートするほうがよいでしょう。従って、当面は「OATハウス肥料」(または大塚ハウス肥料)の1号と2号を使うことをおすすめします。
単肥利用に挑戦する時期は、自力で調べて単肥でもできそうだと思えるようになった頃です。そう思えなければ無理に単肥を使わなくてもかまいません。そこに労力を投じるより販路開拓や高く売ることに労力を割いたほうがよさそうです。植物工場の運用において肥料代が占める割合はさほど大きくなく、特に自作植物工場では無理に単肥を使う必要は必ずしもありません。というのも、システムを自作することにより、100年分以上の肥料代に相当する費用をスタート時点で節約できているためです。では、本題に入ります。オススメの肥料はこちらです。
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OAT1号・2号それぞれ10kgで5,400円、3,240円です。各1袋用意すれば、これだけで6000リットル以上もの液肥を作れます。
まずは1号と2号を別々の容器で調合して、「2液式の濃縮液」を作ります。2種類を別々に溶かす理由は、植物の生育に必要な全肥料成分を高濃度で一つの水に溶かすと、一部の肥料成分が水中で化合して解けない沈殿になり、植物が吸収できなくなってしまうためです。このため、濃縮液はかならず2液に分ける必要があります。
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今回は100倍濃縮液を作ります。
OAT1号の100倍濃縮液は水(水道水で大丈夫です)1リットルに対してOAT1号の粉末を150g溶かします。同様に、OAT2号の100倍濃縮液は水1リットルに対してOAT2号の粉末を100g溶かします。500mlのペットボトルに溶かすなら1号2号はそれぞれ75g、50g必要です。濃縮液は1号と2号それぞれ別々の容器で作るので、ペットボトルは二本必要です。濃縮液をペットボトルで作る場合は万が一の誤飲を避けるため、ラベルを剥がして油性ペンで「濃縮液1号(または2号)」「飲めない」「肥料」と大きく複数箇所に書いてください。これは必ずやって下さい。また、調合日も記入してください。濃縮液は高濃度なので腐りにくいですが、あまり日が経つとカビが発生したり腐ることがあります。
100倍濃縮液をまとめて大量に作る場合は20リットルの灯油タンク
を使うのが便利です。20リットルタンクの場合、1号は1.5kg、2号は1kg溶かします。
大量に作る場合もやはり1号と2号を別々に作るので、タンクは2つ必要です。
栽培に使用する際は、この100倍濃縮液を水で100倍にうすめて作った液肥を使います。
液肥が10リットル(=10,000ミリリットル)必要な場合は、必要な液肥の100分の1の量、つまり1号と2号の100倍濃縮液をそれぞれ100mlずつ、10リットルの水(水道水でも可)に加えて希釈します。
最終的に使う液肥は十分に薄められているので、2つの液を混ぜても沈殿しません。
濃縮液を計量するスポイトやビーカーは1号液用と2号液用で別々のものを使うようにしましょう。油性ペンで「1号!」「2号!」と2~3カ所に大きく書いておくとわかりやすいです。
●その他のOAT肥料
OAT肥料は2017年5月現在で12種類もあります。
メーカーのサイト
をご覧ください。本記事で紹介しているのは上記リンク掲載のOAT肥料A処方です。予め配合された肥料でさえこのような組み合わせがあります。肥料はとても奥深いです。最初から肥料にこだわると泥沼にはまってしまうので、まずはオールラウンドで無難なA処方から始めることをおすすめします。
●液肥濃度計 「ECメーター」
液肥の濃度を計測するにはECメーターを使います。
・安いECメーター
とても安いですがちゃんと使えます。かつては高価な機器でしたが、信じられないほど安くなったものです。
・安いのが不安な方向けのECメーター
定番のアタゴ製ECメーターです。筆者も以前はこちらを使っていました。
予算に余裕があるならこちらの方が安心です。
●PHメーター
PHメーターはすさまじい価格破壊が進んでおり、送料込で1000円台の非常に安いものがありますが、調整の手間や壊れやすさ、信用性を考えるとあまりお勧めできません。消耗品としてとりあえず手元に置くという考え方であればよいと思います。安いものはamazonで探せばすぐ見つかると思いますが、本記事では日本メーカーのものだけ紹介します。
・ニッソー製
私はアクアリストなのでニッソーさんを信頼しています。国内メーカー販売品としてはお手頃価格です。
・安心のアタゴ製
・安心の堀場製
値は張りますが、アタゴや堀場の製品ならより安心です。
PHは最初のうちはそこまでこだわらなくても大丈夫です。当面はとりあえず測っておく程度でかまいません。植物がうまく育たないときにPHが原因になっていることがあるので、定期的にチェックすることをおすすめします。
※ちなみに文字入力のを簡易にする都合で便宜上PHと書いていますが、正しくはpH。pが小文字でHが大文字です。ペーハーまたはピーエイチと読みます。前者はドイツ語読み、後者は英語読みです。私はなぜかペーハーで定着していますがどちらでも構いません。
●調合では手袋とマスクを必ず着用すること。できればゴーグルも。
OAT1号2袋とOAT2号3袋から200リットルの100倍濃縮液が作れます。これを100倍に薄めて使うので、合計20,000リットル=20トンもの液肥が作れます。1号は最終的に1,300倍、2号は2,000倍にも薄めて使うことになります。それだけ元の肥料が非常に濃いということです。
何が言いたいのかと言うと、粉末肥料を素手で触ったり吸ったりしてはいけません。特に2号はアルカリ性なので危険です。
粉末肥料を取り扱う際は必ず手袋とマスクを着用してください。また、眼に入ると大変なことになるので、できればゴーグルもしてください。原料状態の肥料は超高濃度です。取り扱いはくれぐれも慎重に。
●液肥の調合に使う資材
・スケール(グラム計)
安心のタニタ製品がお手頃価格です。2kgまで計量できます。
・スポイト 少量の液肥を希釈する場合
使い捨てする必要がありませんが、結構なくしやすいのでたくさんあると便利です。100均で買っても大丈夫です。精密な実験を行うためキッチリ計量する必要があるなら、スポイトでは難しいので駒込ピペットを使ってください。
ホールピペットを使うとより正確に計量できます。しかし、ホールピペットは口で吸い込んで使用する器具です。100倍濃縮液が口に入ると危険なのでオススメしません。駒込ピペットで十分だと思います。あるいはピペットマンを使えば安全で確実ですが、高すぎるのでオススメしません。そもそもピペットマンが必要な実験を要求される環境にある方は、本サイトの情報は不要かと思います。
・ビーカー 大量の液肥を希釈する場合
ガラス製のビーカーは正確ですが、栽培の現場で使うと落として割れやすいのでオススメしません。
TPXは耐熱性もあり、落としても割れにくく、しかも手ごろな値段なのでオススメです。スポイト、ビーカーともに1液用と2液用は別々に使います。スポイトは大量に入っているので大丈夫ですが、ビーカーは2つ用意してください。
・ゴーグル
目を保護できれば何でも大丈夫です。
・使い捨て手袋
何でも大丈夫ですが、液肥への耐性を考えるとゴムよりもプラスチックのほうが良いと思います。
・使い捨てマスク
何でも大丈夫ですが、写真があったほうがイメージしやすいと思うので凡例を貼っておきます。
液肥は自動調整もできますが、とりあえず最初のうちは手で調整して素養を磨いたほうが良いと思います。
液肥の自動調整については後日別の記事で説明します。

